オギノート

「オギノート」は、シンプルなモノ・コトを中心に、フリーのデザイナーである小木が買ったものや考えたことを発信するWebメディアです。 小木が日々取り組んでいるデザインについて、PCやその周辺ガジェットについて、最近読んだ面白い本について、小木が目指していきたいミニマルなファッションと暮らしについてなど、様々なジャンルの記事を独特の視点と語り口で綴っています。

増えすぎた本を処分して本棚をミニマルにした話

ミニマリストを極めた人以外であれば、誰しもが持っているであろう「本棚」。

読み終わった本や自分の好きな本を並べておいておけば、インテリアにもなるし、そのうちまた読み返すこともある。

そんな思いから、僕も読み終わった本は本棚にしまっておいていました。

しかし、ある日気付いたんです。

”本棚は、インテリアではない”、と。

 

本棚はどうあるべきかという話

本棚な本質は本を綺麗に並べてディスプレイすることではありません。

アンティーク調のカフェでは古めかしい本棚に古そうな外国の本が並べられていたりしますが、その目的は完全に「ディスプレイ」であり、その本棚は「インテリア」です。

ただ、本来の本棚は本をおいておく場所であって、綺麗に並べて鑑賞するためのものではないのです。 自分の蔵書として良書や印象に残った本を残しておくためのものです。

そもそも僕は、「きっとまた読む時が来る」と思って本棚に本を詰め込んでいましたが、もう一度開く本など本当に一部です。

ビジネス書は一度読んでしまえばだいたいのことは覚えているし、小説もガッツリともう一周することもありません。 そう考えると、僕の本棚は本質から外れて「ディスプレイ」の目的で存在していることになります。

本棚の存在意義は人それぞれによって違うと思いますが、僕にとっては本棚の本質的な意義とほとんど同じです。 良いと思った本や自分を変えたと思える本を残しておいて、再びそれを見返してみる。

僕は本棚をそんな風に使いたいと思っています。

さて、本来実現したい本棚と現状の本棚にズレがあることに気づいた僕は、今ここに「第1回、本当に必要な本選抜総選挙」を開催することを宣言いたします。

 

本当に必要な本選抜総選挙

第1項 本選挙の目的は、自宅における本棚の意義と本質を正すため、本当に必要だと思える本のみを民主的に選出することにある。

第2項 「本当に必要な本」とは、自分がこれまでに感銘を受けたり気に入っている本、且つ、今後見返して再び知識を得る可能性の高い本のことである。 但し、小説に関してはこのほどではない。

第3項 選挙の方式を以下の通り定める。 ①現在保有している本を大まかなジャンルに分ける。ビジネス・小説・専門書、など。 ②ジャンル毎に本を並べ、その中から「本当に必要」という基準を超えるものに投票する。 ③投票の結果、得票数が0の本は落選。Boookoff行きとする。

第4項 本選挙は選挙区制度に則り、自宅の本棚における棚数とその容量によって、選挙区とそこでの選出数を決定する。 各選挙区では本棚の容量を超える数の本の選出は行わない。

第5項 本選挙において以下の行為を不正行為とみなす。 ①選挙区において、本を前と後ろに並べて2列とし、選出される本の数を増やすこと。 ②本選挙の目的に反し本を選出すること、公共良俗に反する行為。 例:「これを置いてるとモテそう」と考えよく分からない外国の本を選出する、等 ③得票数が0であった本を「情」という裏ルートで選出してしまうこと。

 

レッツトライ

まあ、つまりは本当に必要な本を、本棚に入る分だけ選ぼうぜってことです。 説明しようと思えば1行で終わります

さて、まず現状の僕の本棚はこんな感じ。

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パッと見そんなに本は多くない気もしますが、僕は本を前後に並べて置くという不正行為を行っているので、実際はもうちょっと多いです。

なんか、雑多な印象を受けますね。

本をジャンル毎に整理

まずは、今ある本をジャンル毎に分けてみましょう。 本棚にある本を全部出して、ジャンル毎に積み上げてみました。

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左から順に、新書・小説・デザイン系・ビジネス書・昔から持ってる本、という感じで分けました。 本棚に残っているのはそれ以外です。

ちなみに、「昔から持っている本」という分け方は、そうやってジャンルを一つ増やすことで本をなるべく多く当選させようとしている、と選挙委員会に認識されて不正行為になる可能性があります。

でも、そんなものは何となくでいいんです。

並べてみると、デザイン書が圧倒的に多いです。 デザイナーたるもの、常に勉強が必要、ということで買い続けていたら結構多くなりました。

次いで、小説とビジネス書が多いです。 これは多くの本が落選する予感...。

 

ジャンル毎に投票を開始

デザイン系

さて、まずはデザイン系の本から投票を開始しましょう。

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結構多いです。 さて、結論から申し上げますが、ほとんど当選しました

選挙管理委員会、および読者の皆様からブチ切れられそうですが、不正行為とかではなく、ほとんどのものが必要なんです!

やっぱり職業柄、この手の本は読み終わってからも見返すことが多く、資料的価値が高いものでして。 やはりこのジャンルに関しましては、こちらとしても予め非常に大きい選挙区を設定しているため、この数であってもキャパシティ的に問題ないという事実がございまして。

やはりこれに関しましては、今後のデザイナーとしての大勢を願って、見逃していただきたいところであります。

お詫びと言っては難ですが、少しだけ、落選とさせていただきました。

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1冊だけですが。

 

ビジネス系

このジャンルはかなり処分できる気がしますね。

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一度読んでから見返すものがほとんどないので、感銘を受けたものや有益な情報が乗っていて、今後見返すだけの価値があるものに投票しようと思います。

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投票の結果はこのようになりました。 左側が落選、右側が当選です。

ちょうど半分ずつくらいになりました。 ビジネス系に関しては投票するかどうかについてほとんど悩むことがなく、スラスラと進めることができました。

落選させるべきものはすでに何となく分かっていたからだと思います。 それほどビジネス系の本は、必要か不要かがはっきりしているものばかりでした。

 

小説

さあ、ここは難関です。 というのも、数ヶ月前にいらない本をBookoffに売り払っており、選挙区がだいぶスッキリしていたんです。

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こんな感じで、投票の結果が、

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はい、案の定こうなりました。

左の1冊だけ落選です。

すでに全開本棚を整理した際に自分の好きな作家数名分の作品だけを残していたので、特に不要だと思うものがありませんでした。

 

新書

続いては新書です。 高校3年から大学1、2年くらいの時に新書にハマり、いろんなものを買っては読んでいました。

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こちらも小説同様、前回整理した際にある程度Bookoffの刑に処されていたのですが、まだまだたくさんあります。

改めて考えてみると、特に読み返す本もないし、感銘を受けた本もない気がする。

投票の結果が、

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こんな感じ。

2冊以外全部落選という、非常に清々しい結果になりました。

やはり、ほとんど読み返すものがない本は必要ないですね。 新書というものは年月が経てばその価値が下がって行くものですからね。

当選した2冊は「里山資本論」と「里海資本論」という、一昔前に流行ったやつですが、これはまだ読んでいないので当選(というか、保留?)となりました。

 

昔から持ってる本

さて、この微妙なジャンル。 こちらも投票を開始していきましょう。

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5冊分ですね。

こちらの投票結果が、

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こんな感じ、ちょっと写真の撮り方ミスりましたが、この2冊が落選です。

落選の理由はシンプルです。

なんか、きたねぇ。

 

本棚がスッキリした!

さて、全てのジャンルの選挙が終了し、最後にどのジャンルにも分類できない本・書類を整理しました。

大学での研究レポートや講義資料など、もう使わないものは思い出とともに処分しました。 旅行の本やガイドブックなども、すでに最新のものは本屋に売っていると思うので捨てました。

そのほか念のためとっておいた書類やよく分からないけど保存しておいたファイルなども処分しました。

ジャンル毎に選挙を行った本と合わせて、Bookoffもしくは処分となったのはこちら。

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本棚の中身のうち約半分を処分することとに成功しました。 思い出深いものや、何となく捨てるのが惜しいものはいくつもありましたが、選挙法に則り処分することにしました。

多くの本を処分して、僕の本棚はこんな感じになりました。

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整理する前の本棚はこんな感じでした。↓

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本棚を整理した結果、雑多な印象は無くなってスッキリとしました。 モノを減らすことで本棚の機能性が高まり、ディスプレイとしてではなく本来の本棚としての役割に近づきました。

僕は今後も多くの本を読んで行くつもりですが、今後は本当に必要だと思えるものだけを買い、それを自宅の本棚に保管する。

これからは自宅の本棚のサイズや保管する本の基準をよく考え、それを元に本を手元におくべきかを判断して、ミニマルな本棚を維持したいと思います。